ヒップホップ初期衝動と1997年9月■モーニング娘。結成
作家の宮沢章夫さんの新刊「時間のかかる読書」刊行記念で池袋西武コミュニティカレッジでいとうせいこうさんと宮沢さんのトークライブ&サイン会が行われた。
池袋コミュニティカレッジに辿り着くには迷宮のような道を行かなくてはならず、迷ったといういとうさんに対して10年位前にワークショップを行っていたのですぐに辿り着けたという宮沢さん。対していとうさんはアフリカの象は水飲み場に行く途中にホテルができても水飲み場に行く記憶が定着しているのでホテルのロビーを通っていくということを言った。宮沢さんは「じゃあ、象になったつもりで」
■テレビ今昔
昔、いとうさんと宮沢さんで芝居を作っていた頃、いとうさんの肩書きは(学生)だった(笑)
昔のタモリクラブはいとうさんの芸でまるまる30分ということもあった。
いまのテレビはプロダクションが枠を押さえてるので自由に作れない。
■ヒップホップの初期衝動
いとうさんは今年何回も映画「SR サイタマノラッパー」を観て感動したそうです。
その映画に出演しているSHOーGUNというヒップホップグループの曲を聴くといつも泣いてしまうそうです。
1980年代に誰もラップなどしらないころに日本語でラップを歌い始めたいとうさん。
いとうさんのライブでSHOーGUNの曲をかけて掛け合いしているそうです。
昔はテープを切り貼りしてサンプリングを作っていた。藤原ヒロシさんも切り貼りしていたのでそういう人だと思っていた。手作業でミックスするほうが機械に近い。
最近、NIGOさんが新宿のホテルのスィートルーム借り切ってパーティをしたのに参加したいとうさん。
いとうさんのバックトラックを作った高木完さんに80年代の音源を使って一番苦労したのは、ドンカマというビートを刻む機械が昔あって、その当時は正確だと思っていたが、人間が奏でるように早くなったり遅くなったりしているのに気づいたそうです。それが音楽のグルーブをだしていた。
ドンカマが使われなくなったドンカマ以降と以前では音楽のグルーブが違う。
いまはコンピュータで制御するので味気ない。
テクノグループのクラフトワークも昔のほうがかっこよかった。
宮沢さんが言うには言葉ができる前の原始の記憶もDNAに記憶されそれがたまに出てくる。そのことがベタだという。
いとうさんが言うにはDNAに対抗するために言葉や文化が生まれた。
生身のカラダはベタを好むのでベタには勝てない。
ヤンキー文化はベタでできている。
ただのベタは許せないけど、精度の高いベタは許せるといとうさん。
いとう氏、「近代文学は詠嘆を消した」
宮沢さんの新刊「時間のかかる読書」は横光利一の「機械」という作品の読みを本にしたものだが、横光氏の時代は新感覚派と呼ばれ、いとうさんに言わせると震災以降のことらしい。
■舞台は出はけが大事
いとう氏曰ミュージシャンの菊地成孔氏は絶妙なタイミングでサックスを吹きだす。
ラッパーもDJの針が飛んだ時が、いちばんの見せ場。どう対処するかで面白くなる。
俳優や芸人も出はけ(登場すること、舞台袖にはけること)のタイミングが大事。
歌舞伎の中村勘三郎氏は絶妙なタイミングで出てくる。
また自分のセリフがないときにどうしているかのほうがセリフ言うより大切。
ブレヒトは第4の壁ということを考えた。
お客さんが何か言ったらそれに反応してもいいと。
■サイン会
宮沢さんとは顔見知りなのでいつもありがとうとおっしゃってくれた。
いとうさんのためにハロプロで言う推しTのつもりでミャンマー解放するためのTシャツを着ていったが何も言及してくれなかった(笑)
でもいとうさんともすこしお話できてサインしてもらった僕の中の2大ヒーローとお話できていい日でした。