喜びの記憶

豊崎由美×宮沢章夫トークライブ@青山ブックセンター本店

宮沢さんは小学生の頃、江戸川乱歩を書き写した。エッセイは構成を考えないで書いてらっしゃるがこの頃に基礎が出来た。自分の中から出てくる愉楽。自分の中から踊るような愉楽が出てくる体験。いかに慣れないで書けるかを試したことがある。自分の身体性は重いものでも笑いに異化できる。

竹中直人氏の面白さは喜びの記憶の再生。竹中さんの芸は反復しても面白いのは形ではなく喜びの記憶の再生であるから。身体的特権である。

宮沢さんは俳優に人を笑わせる場合は、カタをなぞるのではなく人を喜ばせた喜びの記憶を再生しろと伝えているらしい。

海外文学の批評のトークでもあるので、豊崎さんが宮沢さんに読んで欲しい3冊と宮沢さんが選んだ6冊を紹介された。

「アブサロム、アブサロム」ウィリアム・フォークナー

アブサロムについては宮沢さんは自分の生まれた土地とそれにまつわる父権性があると。父権性を跳ね除けようとしていたが父からの影響を受けて自分がいると。

「冗談」ミラン・クンデラ

冗談を読んで最初のなにかに突き動かされるように最初の小説が宮沢さんが書けたという。

共産党体制下のチェコが舞台という設定が冗談みたいだと。

ゴドーを待ちながらベケット

間というト書きがあるなかで25Pに休憩というト書きがあり学生達と読んで爆笑されたという。

「肝っ玉おっ母とsの子供たち」ブレヒト

ブレヒトは感動的な脚本でも絶対感動させないようにシステマティックな演出をした。

でもブレヒトの書くものは面白い。

マクベスシェイクスピア

シェイクスピアマクベスは面白い。

豊崎さんもシェイクスピアってぜったいおもしろいですよねって。

そう言った意味で旧約聖書も面白い。出エジプト記だけでも読んでみてくださいねって豊崎さん。

豊崎さんセレクトの本で宮沢さんに読んで欲しいのは、

スティーブ・エリクソンの「エクスタシーの湖」

非常に官能的だが。エロなことを書けばエロではなく身体から出てくること。この小説はかなり身体から発した感じの書き方をしているとのことです。

宮沢さんもサイタマラッパー見て泣いてしまうのは身体性から来ている。お笑い好きな人間は感情の起伏が激しいので泣くときはかなり泣くよと。

トーくライブの後でサイン会されたのですが、ある一言を宮沢さんに言ったら大笑いしていた。

僕としては宮沢さん笑わせることができたので大成功。楽しいひと時でした。